自律神経失調症とは、検査では異常が見つからないにもかかわらず、冷え・不眠・耳鳴り・胃腸の不調など、全身にさまざまな症状が現れる状態を指します。
- 西洋医学では、交感神経と副交感神経の切り替えの乱れとして捉えます
- 東洋医学では、気・血・水の巡りの滞りと、五臓(特に肝・心・脾)の失調として捉えます
- 症状が多岐にわたるのは、全身を巡るエネルギーの乱れが、さまざまな場所に現れるためです
- 当院では、患部に鍼をせず、手足や耳のツボを中心に施術します
- 整体でも、手足の関節を動かしながら全身のバランスを整えていきます
- ご家庭では、ツボ押し・呼吸法・首の後ろを温めることがおすすめです
こんなお悩みはありませんか?
- 病院で検査を受けたが、「異常なし」と言われた
- 朝起きたときから、すでに疲れが残っている
- 夜中に何度も目が覚めてしまう
- 手足がいつも冷たく、夏でも冷房がつらい
- 夕方になると頭が重く、集中力が続かない
- 耳鳴りやめまいが、ときどき起こる
- 食欲にムラがあり、胃腸の調子が安定しない
- 理由もなくイライラしたり、気分が沈んだりする
- 首や肩のこりが、以前より取れにくくなった。
ひとつでも当てはまる方は、自律神経のはたらきが乱れているのかもしれません。
これらの症状は、周りの人には分かりにくく、「気のせい」「年齢のせい」で片付けられてしまうことも少なくありません。ですが、ご本人にとっては、つらい不調です。
自律神経失調症が起こる原因
自律神経の不調は、どこか一か所が悪くなっているというより、身体全体のバランスが崩れているサインだと私は考えています。
だからこそ、症状がひとつに絞れず、あちこちに次々と現れるのだと思います。
A. 西洋医学と東洋医学、2つの視点
同じ「自律神経の乱れ」でも、西洋医学と東洋医学では、その捉え方が異なります。
| 西洋医学の視点 | 東洋医学の視点 | |
|---|---|---|
| 症状の分け方 | 自律神経失調症という、ひとつの名前でまとめる | 気滞(きたい)、肝鬱(かんうつ)、脾虚(ひきょ)など、原因となっている状態で分ける |
| 原因の捉え方 | ストレス、生活リズムの乱れ、ホルモンバランスの変化 | エネルギ(気)と、血の流れが滞り、内臓の働きが乱れた状態 |
| なぜ繰り返すのか | 交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかないため | 全身をめぐるエネルギーの乱れが、様々な場所に現れるため |
| 診るところ | 検査数値、画像所見 | 脈、舌、お腹、顔色、ツボの反応、姿勢 |
| 対応の考え方 | 症状をやわらげ、生活を整える | 気血水の流れを良くし、体質から立て直す |
当院では、この両方の見方を大切にしながら、お身体を診させていただいています。
検査で異常が見つからないということは、「悪いところがない」という意味ではありません。
西洋医学の物差しでは測れない、身体全体のバランスの乱れが起きている状態と、東洋医学では考えます。
B. 東洋医学から見た自律神経の乱れ
なぜ、つらい場所だけをみないのか
東洋医学には、「部分は全体を反映する」という考え方があります。
身体に不調があるとき、その反応は一か所だけに現れるわけではありません。
骨盤や背骨の歪み、顔色、皮膚のつや、爪や舌の状態、ツボの反応。
さまざまな場所に、その人の身体の状態が映し出されています。
だからこそ、当院ではまずお話をよくうかがい、身体全体を確認することから始めます。
気・血・水という3つの要素
東洋医学では、身体を巡るものを大きく3つに分けて考えます。
気(き) 生命活動を支えるエネルギーです。
これが滞ると、張ったような痛み、イライラ、喉のつかえ感などが現れます。
不足すると、疲れやすさ、気力の低下、風邪をひきやすいといった状態になります。
血(けつ) 全身に栄養をはこぶものです。
不足すると、めまい、立ちくらみ、不眠、爪や髪のもろさとして現れます。
滞ると、刺すような痛み、しこり、顔色のくすみが出やすくなります。
水(すい) 血以外の体液を指します。
滞ると、むくみ、重だるさ、頭が重い感じ、めまいなどにつながります。
自律神経の不調でお悩みの方は、この3つのうち複数が同時に乱れていることが多く見られます。
症状が一つに絞れず、あちこちに次々と現れるのは、そのためです。
五臓とのかかわり
東洋医学の「五臓」は、西洋医学の臓器とは少し意味が異なり、はたらきのまとまりを指します。
自律神経の不調では、特に次の3つが関係します。
肝(かん) 気の巡りを調整し、感情を安定させるはたらきを担います。
ストレスの影響を最も受けやすい場所です。
ここが乱れると、イライラ、不眠、目の疲れ、首肩のこり、生理周期の乱れなどが現れます。
心(しん) 精神活動と、血を全身に巡らせるはたらきを担います。
乱れると、動悸、不安感、寝つきの悪さ、夢をよく見るといった症状につながります。
脾(ひ) 飲食物から気血をつくり出すはたらきです。
考えすぎや不規則な食事で弱りやすく、食欲不振、下痢や便秘、疲れやすさ、むくみとして現れます。
つらい症状がいくつも重なるのは、この五臓が互いに影響し合っているためです。
ひとつを整えることが、他の不調にもつながっていきます。
同じ症状でも、原因は人それぞれ
東洋医学では、「証(しょう)」という考え方で、その方の状態を見極めます。
たとえば同じ「不眠」でも、
- 気が高ぶって眠れない方
- 血が不足して眠りが浅い方
- 胃腸の不調が睡眠に影響している方
では、整えるべき場所がまったく異なります。
だからこそ、当院の施術は画一的なものにはなりません。
年齢、性別、症状の程度、いつから続いているのか、これまでどのような施術を受けてこられたか。
それらをすべて考慮したうえで、その方に合った方法を選んでいます。
なぜ、手足のツボを使うのか
当院の鍼施術は、患部に直接鍼をすることはほとんどありません。
東洋医学では、身体には「経絡(けいらく)」というエネルギーのルートがあり、手足の末端から胴体、頭までがひとつながりになっていると考えます。
このルートを通じて、離れた場所から全身のバランスに働きかけることができます。
当院ではこの考え方に加えて、**董氏楊氏奇穴(とうしようしきけつ)**という、手足のツボを中心に用いる方法を取り入れています。
この方法には、次のような利点があります。
- お着替えが不要で、身体への負担が少ない
- 患部に直接触れないため、症状の強いときでも受けやすい
- 全身のバランスに働きかけるため、複数の不調に同時にアプローチできる
「不調のある場所」と「整えるべき場所」は、必ずしも同じではない。
これが東洋医学の視点であり、当院が大切にしている考え方です。
一般的な対処法と、その限界
自律神経の不調でお悩みの方の多くは、ご来院までに、さまざまなことを試されています。
サプリメント・漢方薬
体質に合っていれば助けになります。
ただ、ご自身で選ばれる場合、今のお身体の状態と合っていないこともあります。
生活習慣の改善
早寝早起き、運動、食事の見直し。
とても大切ですが、お仕事や家庭の事情で、思うようにいかないのが現実です。
こうしたことを続けても変化が感じられないとき、「症状そのもの」ではなく「その方の身体全体の状態」に目を向ける必要があります。
当院の自律神経へのアプローチ
しっかりお話をうかがうことから
まず、問診票をもとに詳しくお話をお聞きします。
いつから、どんなときに、どのようにつらいのか。
気になっていることを、何でもお話しください。
そのうえで、お身体の状態を確認します。
なぜ今そうなっているのか、どのような方針で進めていくのか、どのくらいの見通しかを、ご説明します。
身体に負担の少ない整体
手足の関節を動かしながら、全身のバランスを整えていきます。
強く押したり、関節を鳴らしたりする方法ではありません。
手足・耳のツボを中心とした鍼灸
董氏楊氏奇穴による手足のツボを中心に施術します。
使用する鍼は、すべて使い捨てです。
また、耳にも全身のツボがあるため、必要な方には耳のツボも使います。
鍼灸や整体の施術後に、次のような反応が現れることがあります。
・施術後、一時的にだるさや眠気を感じることがあります
・施術を行った箇所に、軽い違和感が残ることがあります
・鍼を用いた場合、ごくまれに内出血(青あざ)が生じることがあります
・お灸を用いた場合、軽い熱感や赤みが残ることがあります。熱さを感じたら、その場でお知らせください
いずれも数日で落ち着くことがほとんどですが、気になる症状が続く場合は、ご遠慮なくご連絡ください。
次のような方は、施術前に必ずお知らせください。施術の方法を調整いたします。
・妊娠中の方、妊娠の可能性がある方
・ペースメーカーを使用されている方
・お薬を服用されている方(血液をサラサラにするお薬を服用されている場合、内出血が生じやすくなることがあります)
・金属アレルギーのある方
・感染症をお持ちの方
なお、お身体の状態によっては、当院での施術が適さないと判断し、医療機関の受診をおすすめすることがあります。
ご家庭でできるセルフケア
日々の生活の中でできることをお伝えします。無理のない範囲で試してみてください。
ツボを押してみましょう
内関(ないかん)
手首のしわから、指3本分ひじ寄り。腕の内側の中央にあります。
気持ちの高ぶり、動悸、胃のむかつきが気になるときに。
親指で、心地よいと感じる強さで5秒押して、ゆっくり離す。これを左右それぞれ5回ほど。
足三里(あしさんり)
ひざのお皿の外側の下から、指4本分下がったところ。すねの骨の外側です。
胃腸の調子、全身の疲れが気になるときに。
親指で、ゆっくり5秒押して離す。左右5回ずつ。
太衝(たいしょう)
足の甲。親指と人差し指の骨の間を足首方向にたどり、指が止まるところ。
イライラ、目の疲れ、寝つきの悪さが気になるときに。
やや強めに5秒押して離す。左右5回ずつ。
いずれも、強く押しすぎる必要はありません。「気持ちいい」と感じる強さが目安です。
呼吸を整える
自律神経に、ご自身の意思で働きかけられる数少ない方法が呼吸です。
- 椅子に座るか、仰向けに寝ます
- 鼻から4秒かけて、お腹をふくらませるように吸います
- 口から8秒かけて、ゆっくり吐き切ります
- これを5回ほど繰り返します
吐く時間を、吸う時間より長くすることがポイントです。
寝る前や、緊張を感じたときに。
首の後ろを温める
首の後ろ、髪の生え際のあたりには、自律神経に関わるツボが集まっています。
蒸しタオル(電子レンジで40秒ほど)や市販の温熱シートを、5分ほど当ててみてください。
入浴時に、シャワーを少し長めに当てるのも良い方法です。
日常生活で心がけたいこと
朝、光を浴びる
起きてすぐ、カーテンを開けて外の光を目に入れてください。
体内リズムが整いやすくなります。
足元を冷やさない
冷房の効いた室内では、靴下やひざ掛けを。
足首を冷やさないことが大切です。
入浴はぬるめに
38〜40度のお湯に、10〜15分。
熱いお湯は、かえって身体を緊張させます。
寝る1時間前は画面を見ない
スマートフォンやパソコンの光は、眠りの準備を妨げます。
セルフケアは、あくまで日々の助けになるものです。
ご自身でできることには限りがあります。
続けても変化が感じられないときは、一度ご相談ください。
通院の目安
お身体の状態や、症状が続いている期間によって、必要な回数は変わります。
あくまで目安としてお考えください。
はじめの数回
まずは、お身体がどのように反応するかを確認していきます。
週に1〜2回のペースをおすすめしています。
その後
お身体の状態を見ながら、2週間に1回、3週間に1回と少しずつ間隔をあけていきます。
回復してきたら
月に1〜2回、お身体の状態を整えるためのケアとして通われる方が多くいらっしゃいます。
長く続いた不調ほど、お身体が今の状態に慣れてしまっています。
焦らず、段階を追って進めていくことが大切です。
初回の際に、お身体の状態を確認したうえで、見通しをお伝えします。
ご不明な点は、その場で遠慮なくお尋ねください。
よくあるご質問
施術料金
| 料金 | |
|---|---|
| 初回 | 7,700円 |
| 2回目以降 | 6,600円 |
初回の内訳:初検料1,100円 + 施術料 6,600円
※すべて税込
※前回の施術から2か月以上あいた場合、あらためて初検料1,100円をいただきます
※ クレジットカード、paypay、楽天payなど各種キャッシュレス決済に対応していま
ご予約・お問い合わせ
ネット・LINEは24時間受付。お電話でも承ります。
ご相談だけでもお気軽にどうぞ。
執筆者情報
羽田雄作(はだ ゆうさく)
はだ鍼灸整骨院 院長
兵庫県淡路市出身
明治鍼灸大学(現・明治国際医療大学)卒業
はり師・きゅう師(国家資格)1987年取得
柔道整復師(国家資格)1990年取得
平成8年(1996年)はだ鍼灸整骨院を開院
董氏楊氏奇穴(とうしようしきけつ)による鍼灸を実践
東京手技治療研修会にて整体を学び続けている
大阪府茨木市にて、東洋医学の考え方にもとづく鍼灸・整体施術を行っています。
